振袖とは?特徴とふさわしい着用シーンを紹介!振袖選びにも役立つ振袖基本知識!

 

 

一生に一度のイベント、成人式で、多くの新成人が振袖を着るのはなぜでしょうか?

それは、振袖が未婚女性の第一礼装とされ、お祝いの日に相応しい晴れ着だからです。

成人式の女性の装いとしても馴染みのある振袖は、華やかで豪華な柄と長い袖が特徴で、

振袖という言葉は「袖を振る」ことに由来していると言われています。

振袖の歴史は古く数百年前にさかのぼり、現在の振袖と過去の振袖には歴史的な違いがあります。

この記事では、そもそも振袖とはどういう着物なのか、振袖の由来と歴史についてと、

どのような振袖をどういったシーンでどう着用すればいいのかなど、振袖に関するいろはを紹介します。

 

 

振袖とは

振袖とは、大人の未婚女性が成人式や結婚式で花嫁衣装として着用する、最も格の高い第一礼装です。

冠婚葬祭などの儀式に出席するときに着る正式な装いのことを第一礼装と言い、これは和服の中で最も格が高いとされています。

同じ格にあたる和服は、黒留袖、色留袖、喪服です。

振袖は、本来は未婚か既婚かで着用していい・悪いが決まるということはありませんが、

昔から「若い女性用の着物」とされていたため、ある程度の年齢になると着用しなくなっていました。

しかしながら近年では、女性の社会進出により、キャリアを持った20代後半から30代の若々しい

未婚女性がたくさんいらっしゃり、年齢に関係なく振袖を着ることはごく普通のこととなってきています。

 

振袖の特徴は?

 

他の着物と比べて、袖が長いのが振袖の特徴です。

振袖は、身頃(みごろ)と袖との縫いつけ部分を少なくし「振り」と呼ばれる

袖がつけてある下のあいている部分を作った袖をもつ着物のことで

振袖の「振り」は「振八つ口(ふりやつくち)」とも呼ばれます。

この「振り」は、浴衣や羽織、長襦袢(ながじゅばん)なども含めた

女性用の和装全般にありますが、男性の着物にはありません。

全面に柄をあしらった絵羽柄(えばがら)という柄つけになっており、

衿(たもと)、胸、肩、袖などの上半身にも、腰、裾(すそ)の下半身にも豪華に模様が入ります。

華やかで若々しい柄のものが多く、成人式や結婚式の花嫁衣装、

また、その参列者の衣装などのおめでたいシーンで着用される着物です。

 

振袖の由来について

振袖の歴史は古く、もともとは子ども用の小袖という着物でした。

振八つ口と呼ばれる脇の下の部分が大きく空いていることから、大人よりも体温の高い子どもが動き回って熱を発しても、

その熱をうまく逃がすことができるほどに通気性が良く、体温を一定に保つことができるため、昔から日常的に着られてきました。

子どもだけでなく、16~7歳くらいまでの若い女性や元服前の男子も着用し、色や柄・構造による男女の違いはなかったようです。

 

江戸時代の前期に入ると、若い女性の着る正装の和服の袖の長さが次第に長くなっていきました。

江戸時代の女性が日常的に着ていた着物は、小袖(こそで)という袖の短い動きやすいものでしたが、

その後、時の流れにともない江戸の中期頃には、小袖の袖丈がだんだんと長くなっていき、

初期には55cm~95cm程ほどであった袖の長さは、江戸末期には95cm~122cmまでになったと言われています

ちなみに現在は、最も袖の長い大振袖で114cmほどの長さです

 

振袖の袖はなぜ長くなった?

着物の袖丈が長くなっていった理由は、

1踊り子たちが袖を振ることで感情を表現していたことが大流行したため

2袖が長い方が所作が美しく見えたため

3袖を振るという動作で厄払いやお清めができると考えられていたため

 

など、諸説あります。

 

・1の説を解説!

踊り子たちが袖を振ることで感情を表現していたことが大流行したため

世の中が安定するにつれて、文化や娯楽に対する民衆の関心が高まり生まれた江戸時代の踊り子たちは、

今とは違って、女性から思いを伝えることがはしたないとされていた時代に、

舞台上で袖の長い着物を着て、自分の袖を振ることで感情を表現していました。

当時は、袖を左右に振ると「好き」、前後に振ると「嫌い」という意味だったようです。

この袖振りは、日本独自の奥ゆかしさを残しつつも、女性から相手に

自分の感情を伝えることのできる非常に画期的な方法だったため、

一般女性の間にも袖を振るという動作が流行し、袖が長くなっていったと言われています。

今では普通に使われている、異性を「振る」、「振られる」という言葉は、

振袖の袖を振ることで感情表現をしていた当時の踊り子たちの動作が由来していると言われています。

またこの他にも、

袖をしぼる・・・涙を流してひどく泣くこと

袖にすがる・・・人の同情心に訴え、助けを求めること

袖にする・・・今まで親しくしていた人を相手にしなくなること

袖を分かつ・・・行動を共にしていた人と別れる、関係を断つこと

無い袖は振れない・・・金銭的な意味で、持ち合わせのないものはどうすることもできないということ

このように、袖にまつわる言葉は今でもたくさん残されています。

 

・2の説の解説!

袖が長い方が所作が美しく見えたため

江戸の踊り子たちが舞台上で踊りを披露したとき、着物の袖が長い方が舞台映えし、

所作が優雅に美しく見えたため、一般の女性の着物の袖も長くなっていったと言われています。

今も昔も、身振りを女性らしく美しく見せたいという女性の心は変わりませんね。

 

・3の説を解説!

袖を振るという動作で厄払いやお清めができると考えられていたた

日本では古くから、空中には多くの目に見えない神様がいると考えられ、

空気を揺らすことで、神様に自分の意思を伝えることができるとされていました。

神様にお仕えする巫女は、儀式の中で長い布や袖を振ることで

神を呼び起こす「魂振り(たまふり)」を行っています。

昔の人々は「振る」という動作によって、厄をはらったり場を清めたりしていたのです。

この時代は若い娘の病気が多く、袖を振るという動作で厄を振り払うためや、

結婚前の女性の良縁を呼び込む魂振りの効果を高めるために、袖が長くなったとされています。

現代の私たちが日常で行ったり、目にしたりすることも、実は魂振りです。

・神社におまいりするときに鈴を鳴らし柏手を打つ

・お神輿(みこし)を揺らす

・いってらっしゃい、バイバイと手を振る

・神主さんが玉串を振ってお祓い(はらい)をする

当初は神様に向かって行われていた魂振りでしたが、このように

だんだんと人に対しても行われるようになっていきました。

 

振袖に込められた思い

振袖は、仕立て直して留袖にすることができます。

未婚女性の第一礼装が振袖で、既婚女性の第一礼装が留袖とされているのは、

結婚をすると異性に意思表示をする必要がなくなるので、好意を伝える手段であった

長い袖を短く留め、夫ひとりに思いを留めることを誓うという意味が込められています

 

現在の振袖とは

時間をかけて長くなっていった袖丈でしたが、日常生活では袖が長いと不便なことが多く

何をするにも動きにくいため、だんだんと振袖が普段使いとして着用されることがなくなります。

その後も、踊り子の衣装としては振袖が使用され続けましたが、

それだけではもったいないということから、「特別な日には振袖を着用する」という風習になり、

江戸時代から明治時代にかけて未婚女性の第一礼装として浸透していき、今に至ります。

 

振袖の種類とふさわしい着用場面

振袖は、袖の長さによって大振袖、中振袖、小振袖の3種類に分類されています。

袖が長いほど着物としての格が高くなるので、格が高いものから大振袖>中振袖>小振袖という順です。

 

・大振袖(おおりそで)

袖の長さは110cm前後で、くるぶしくらいまでの長さがあります。

引きずるほどの長い袖は、気品の中にも艶っぽさがあり、凛とした美しさを演出します。

大振袖は、振袖の中でも最も格式の高い着物で、華やかで豪華なものから色無地までデザインが豊富です。

大振袖の着用シーンは、結婚式や成人式などのフォーマルな晴れの舞台です。

昔から婚礼衣装の定番として人気の大振袖は、今なお お色直しで多く着用されており、また花嫁衣装として

大振袖を着用するときには袖を引きずるように着付けを行うため、引き振袖・お引きずりとも呼ばれています。

振袖は格の高い未婚女性の第一礼装なので、本来は背中の上部と両袖の後ろ上部、さらに

両胸にも家紋が付く「五つ紋」で、全面に柄をあしらった絵羽柄(えばがら)が正式とされています。

しかしながら、振袖は紋の数によって格が上下することがないことと、現代の振袖は柄付けが多く、

紋を入れるべきところにも柄が付いていることがほとんどなため最近では、紋は省略されることが多いようです。

 

大振袖の袖の長さは、着る人の身長によって変わります。

身長が159㎝よりも高い場合は、袖丈は113㎝ほどになり、どれだけ身長が高い方でも大体袖の長さは同じですが、

身長が159cmよりも低い場合は、背が低くなるにつれて短くなるようにし、身長に合わせて袖丈が決まります。

(例:身長が150cmの場合は袖丈100cmほど)

 

・中振袖(ちゅうふりそで)

袖の長さは90cm前後で、ふくらはぎくらいまでの長さがあります。

中振袖は大振袖に次ぐ礼装で、立ち姿のバランスがよく見え着姿が美しく、上品さを演出します。

中振袖の着用シーンは結婚式の参列、成人式、卒業式や初釜、結納、お見合い、パーティーなどです。

参加する場面に応じて、色や柄を決めましょう。

かつては成人式の振袖と言えば大振袖が主流でしたが、最近の成人式では中振袖が人気です。

成人式では、新成人である自分が主役ですので、大振袖でも中振袖でも好きな振袖を選んで問題ありません。

同じ中振袖でも着る人の身長によって袖のバランスが変わりますので、大振袖、中振袖といった種類だけで

振袖を選ぶのではなく、実際に試着をして、袖の長さがどのくらいになるかを確認しましょう。

 

・小振袖(こふりそで)

袖の長さは75cm前後で、二尺袖(にしゃくそで)とも呼ばれます。

普通の着物の袖の長さは49cm、振袖は100〜110cm前後ですので、二尺袖は中間の長さにあたります。

長すぎず短すぎない袖の長さが可愛らしいイメージを演出し、振袖の種類の中でも一番袖が短いため動きやすいのが特徴です。

セミフォーマルとして位置づけされる小振袖の着用シーンは、カジュアルな観劇やお茶会などです。

お出かけ着としても利用することができ、あまり堅苦しく感じることなく振袖を楽しめます。 

ブーツとも相性が良く、卒業式で卒業袴と合わせて身に着けられる振袖として目にする機会が多いでしょう。

近年では、卒業式で小学校6年生の女の子や、学校の先生が小振袖を着ることが増えてきているようです。

 

大振袖はフォーマルな衣装ですが、出席する場面によっては着物の格が高くなりすぎるということもあり得ます。

例えば友人の結婚式に参列する場合は、主賓との衣装のバランスを考える必要があります。

主賓の衣装を知らずに大振袖を着用していくと、主賓よりも格が高いか、同格の衣装を着ているという

事態が起こる可能性があり、そうなると大変な失礼にあたりますので、こういうシーンでは中振袖を選ぶ方が無難です。

ただし、新婦が思い出の振袖を、お色直しや二次会で着用する場合もあります。

事前に新婦に確認をとり、自身が中振袖を着ていく場合には、新婦と色が被らないようにしましょう。

またこういった場合は、花嫁より目立つことのないように、ヘアメイクは控えめにするのがマナーです。

振袖は、若い女性のものと思われがちですが、未婚女性であれば何歳でも着ることができます。

帯を成人式でするような派手な変わり結びにせずに太鼓結びにしたり、

半衿や重ね衿、帯揚げと帯締めなどの小物の色柄を上質で品のあるものや

落ち着いたトーンのコーディネートにすることで落ち着いた印象になり

さまざまな晴れの日のシーンで着用することができます。

それぞれの振袖ごとの特徴を知り、ふさわしいシーンに応じて着分けることができると素敵ですね。

※袖の長さについては諸説あります。

 

 

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