成人式は、一生に一度のご記念で、
成人の日の衣装といえば、振袖ですが、
普段はなかなか着ることのない振袖ですので、
着付けがくずれたり、汚してしまったりしないか、
この記事では、せっかくの振袖姿をもっと美しく見せる、
振袖を着ているときの立ち振る舞い
振袖を着たときに、普段の洋服を着ているときのような感覚で動いてしまうと、美しく見えないだけでなく、着くずれの原因になってしまいます。
美しく見えるしぐさと、ほんのちょっとのことで動きやすなるポイントを覚えましょう。
着物を着ている時は、いつもよりもゆっくりと、優雅に動きます。
慌てずに、一呼吸おいてゆっくり動作するように心がければ、おしとやかで上品に見えるでしょう。
丁寧な所作は美しく品があり、周りの人にも良い印象を与えてくれるものです。
振袖を着ているときの立ち方
振袖を着たときは、まずは肩の力を抜き、上に引っ張られているようなイメージで背筋をまっすぐに伸ばして立ちます。
背中が丸くならないように腹筋に力を入れ、胸を張りすぎないくらいがベストです。
時折、片足重心で立っていないか、猫背になっていないか、あごが前に出てお腹がぽっこりと出ていないかを意識するようにしましょう。
手は、横でブラブラさせずに体の前で重ねて組みます。
よりやわらかい印象にするためひじを少し曲げ、手首や腕は、袖からあまり見えないようにしましょう。
足は、両足のひざ頭がつくように少し内股気味にして、草履のつま先が八の字になるようにくっつけると上品です。
振袖を着ているときの座り方
振袖に限らず、着物で座るときには生地がよれないように気を付けましょう。
ひざの裏や太ももの裏側の生地が、どちらかに片寄ったり重なっていると居心地が悪く、また、着物の座りジワの原因にもなるので、座る前に着物の左右の両脇を少し引っ張り、生地をピンとしっかり張るようにします。
また、上前(うわまえ)が開いて長襦袢(ながじゅばん)や裾除け(すそよけ)が丸見えになってしまったり、着崩れして肌があらわになってしまったりすると美しくありません。
着物で座るときは、イスの場合と畳の場合とで所作が違いますので、それぞれのポイントを紹介します。
振袖を着ているときのイスの座り方
成人式の会場内や、会場へ向かう途中の電車・車、お祝いのお食事の席など、振袖姿でイスに座るシーンは多々あります。
お洋服のときと同じ感覚でイスに腰を下ろしてしまうと、帯があるのでうまく座れません。
振袖を着ているときは、後ろの帯がつぶれないように、かなり浅めに腰をかけて背筋を伸ばします。
背もたれと体の間はこぶし一つ分くらいが目安で、椅子の座面の前半分にお尻をのせるような感覚です。
イスの前に立ち、まっすぐの姿勢のままゆっくりと腰をおろすとスムーズに座れるでしょう。
このとき、バッグを背もたれと体の間に置くと、座りやすくなります。
いすに深く腰をかけてリラックスしすぎると、前すそが上がってしまい着崩れの原因になるので気を付けます。
袖は、地面につかないように前で両方まとめて持ち、ひざの上に重ねて置きましょう。
両足を揃えてまっすぐ横に軽く流すようにしても素敵です。
脚を組んだりひざを開くと、すそ回りの着くずれの原因になるので気を付けます。
着物のときは、脚は組まない・足をぶらぶらさせない・ひざをくっつけたまま座る、ということに気を配りましょう。
また、ソファーや、ふかふかの柔らかいイスに座ると、腰が沈んでしまい座るのも立ち上がるも大変です。
同様に、低いイスも立ち上がるときに反動が必要となりますので、硬め・高めのイスを選んで座るようにすることがおすすめです。
振袖を着ているときの正座の仕方
ご成人の機会にごあいさつなど振袖で正座をすることもありますよね。
正座のときは、上前やすその乱れに気を付けるようにします。
振袖での正座の手順は、まず右足を半歩後ろに引き、右手で着物の上前を少し引き上げます。
続いて、左手で太ももの辺りを軽く押さえ、右手でひざ下を押さえながら腰を落とすと、裾が乱れにくくなります。
また、一気にどんとお尻を落とすのではなく、一度膝をついてから腰をおろすという二段階にすると、よりおしとやかです。
ひざから下を左右に開く、いわゆるぺたん座り(女の子座り)をして両足を離すと行儀が悪く見えるだけでなく、裾から足の奥が見えてしまいますので、しっかりと揃えましょう。
座ったら、両手はひざの上で自然に重ね、両袖は後ろ側に流してください。
足の親指を重ねるように座ると、正座でもしびれにくいようです。
立ち上がるときは、まず腰を浮かせ、かかとを上げてつま先立ちになり、かかとの上にお尻を乗せます。
そして、上前を押さえながら右足から立ち上がります。
すそを踏んで、こけないように気を付けましょう。
たたみの上では音を立てずに すり足で歩き、敷居やたたみの縁、座布団を踏まないようにします。
かつて、たたみの縁には家紋が入っていたり、身分を表す色が使われていたりしていました。
このような歴史から、たたみの縁はその家の顔とも言え、足で踏むのは失礼にあたります。
これは、着物姿のときだけではなく、和室で過ごすときに日常的に使えるマナーです。
振袖を着ているときの歩き方
うまく歩けないと、一日中しんどい思いをしてしまうかも知れません。
せっかくの振袖、着ている間は楽しい時間にしたいですよね。
ここでは、振袖姿で上手に歩くポイントを紹介します。
歩くときは、猫背にならないように背筋を伸ばして、親指に重心を置く感覚で踏み出し、足のサイズ分の歩幅にして洋服を着ているときよりも小さく歩きます。
両足のひざ小僧が触れたままで内また気味に歩くことを意識すると、自然に小さく歩けるでしょう。
あまり速く歩かない方がおしとやかで素敵に見えますので、少しずつゆっくり歩きましょう。
また、右手で着物を端を軽く持つようにすると、振袖のすそが広がらないので美しい歩き姿に見えます。
草履は指で引っかけるように浅く履き、かかとが少しはみ出るくらいが正しい履き方で、草履からかかとが1〜1.5cm出ているくらいがベストです。
鼻緒を足の指ではさむようにするとパタパタと大きな音が鳴らず、上品です。
振袖での所作をシチュエーション別で紹介!
振袖を着ているときの、こんなときどうしたらいい?の疑問にお答えします。
美しい所作で、ワンランクアップの優雅な振袖美人を目指しましょう。
振袖を着ているときの段差
成人式会場までの道のり、成人式会場内など、どんな場所にも階段や段差は必ずあるものです。
振袖はとても格式高い礼装で、袖の丈はおよそ100cmもあり袖がとても長いので、階段などでは扱いにコツが必要です。
階段の昇り降りなどの動作の前には、長い袖は重ねて左手にかけるようにしましょう。
慣れていないと、袖を引きずってしまうことも多いようです。
転んでしまったり事故になったりしないように、ご家族やお友達が近くにいたら手を添えてエスコートしてもらうと安心ですね。
座ったりかがんだり、階段や段差を昇り降りしたりするときは、袖とすそを踏まないように注意します。
ふくらはぎが見えると美しく見えないので、着物を上げすぎないように、右手側のすそを少し持ち上げましょう。
(着物の端が右側にありますので、左利きの方も右手側を持ちます。)
段差では腰を落とし気味にして、体の向きを階段に対してほんの少しななめにすると、足もとが見えやすくなり動きやすいだけでなく、より美しい姿勢に見えます。
振袖を着ているときの車の乗り降り
よくあるシーンなのに難しい、振袖での車の乗り降りですが、美しい動作の流れを意識するとうまくいきます。
まずは、ドアに引っかかったり引きずったりしないように、体の前で袖を合わせます。
座席に背中を向けるようにして立ち、着物の裾が乱れないように注意しながら、お尻からゆっくりとシートに座わります。
このとき、髪型を崩さないように、なるべく頭を低くしておきましょう。
両足を揃えて地面から離し、上前が開かないように押さえながら体を90度回転させて足を車の中に入れます。
乗っているときは、帯がつぶれないように後ろにもたれず、背筋を伸ばして浅く座わります。
何かにつかまっておくとバランスがとりやすいでしょう。
車を降りるときは、上前を右手で押さえながら両足を揃えて外に出し、ゆっくり立ち上がります。
つい、洋服と同じように足を開いて車に乗り降りしてしまいそうになりますが、足を開くと着物が上までたくし上げられてしまいます。
脚を大きく開くことは着物の着崩れにつながりますし、肌が見えるのは美しくありません。
足を揃え、大股開きにならないようにゆっくり動きましょう。
大胆な動きは避け、普段より控えめに動くと良いです。
振袖を着ているときのしゃがみ方
下に落ちた物を拾うときは、かがむ前に着物の袂(たもと)を片手で押さえます。
長い袖を床に引きずらないよう、両方の袖を揃えて持ち、上前を押さえて斜めにすっと腰を落として取りましょう。
かがむ際には体を少し斜めにして腰を落とすと品が出て美しく見えます。
前かがみになると着崩れの原因になるため、無理に自分でしようとせずに、周りの人にお願いするのも良いでしょう。
同じように、テーブルなど台の上の物をとるときも、片方の手で袂を押さながら手を伸ばします。
振袖を着ているときの食事
食べ物や飲み物を万が一こぼしてしまっても、大切なお着物を汚してしまわないように、大きめのハンカチを準備しておきましょう。
ひざや胸もとにかけておけば安心です。
えりや帯にナフキンをはさんでもかまいません。
通常はナフキンを半分にして使いますが、振袖のときは広げて使ってください。なるべく広い範囲をガードしてうっかり汚れを防ぐのが良いでしょう。
料理を口に運ぶときは、ひと口で食べられる大きさに切ります。
大きく口を開けて食べることがないようにします。
和食の場合は、器を持ちあげて食べる際、袖を汚さないように気をつけてください。
お水の入ったコップなどの冷たい飲みものを持つときは、結露のしずくが着物に落ちないよう、グラスの底を紙ナフキンで包むのが安心です。
これは、両手で持つことにもつながるので、より上品に見えるでしょう。
振袖を着ているときの乾杯・手の上げ方・電車のつり革の持ち方
成人式の後、振袖姿で同窓会に参加予定の方も多いのではないでしょうか。
同窓会、みんなが集まって最初に行うことといえば乾杯ですね。
初めてのお酒、懐かしのメンバーで、最も楽しいお祝いの瞬間のひとつです。
乾杯の仕方は、覚えておけば成人式で絶対に使える、一歩差がつく所作です。
腕を伸ばすときに、洋服をまくるように袖をたくし上げるのはバッドマナーです。
二の腕やひじが着物から出ると、ルーズな印象に見えてしまいます。
また、中のじゅばんが見えることも良くないとされているため、袖口を手首の下で閉じるように、反対の手を添えましょう。
知的な女性の印象に映るポイントは、「見せるのは手首まで」ということです。
グラスを持つ方の手は高く上げすぎずに、体に近い位置で小さくカンパイします。
本来グラスとグラスを合わせて音を鳴らすのはよくないマナーとされています。
グラスを目の高さまで上げて、乾杯を言葉で楽しみましょう。
ご成人を機に初挑戦するアルコールは、口をつけてみたけれど苦手で飲めないということも考えられます。
その場合は、もちろん無理に飲まなくて大丈夫です。
香りだけでも楽しむようにすると、相手にも思いが伝わります。
これと同じように、スマホで写真を撮るときや、電話をするときなども袖口に手を添えるようにしましょう。
このほかにも、離れたところにある物に手を伸ばすとき、タクシーを停めるとき、電車でつり革につかまるときにも活用できます。
痛くならない草履の履き方
草履を履くのは初めてで不安な方も多いのではないでしょうか。
ここでは、草履のよくあるトラブルと解消法をご紹介します。
よくある草履のトラブルは、指の間が痛くなることと、鼻緒の付け根が当たって痛くなることです。
指の間が痛くなるのを防ぐには?
痛みの理由は、足の指を草履の奥まで押し込んで履くことで、前坪(指の間に当たる部分)が指の間に食い込んでいるからです。
草履を奥まで履き込みすぎているのかも知れません。
正しい草履の履き方は、指で引っかけるように浅く履くことです。
前坪(指の間に当たる部分)を指ではさむ感覚で、草履を浅めに履くと足の指の間に食い込むのを防げます。
足を奥まで入れない分、かかとが少しはみ出てしまいますが、それでOKです。
理想的な草履のスタイルはかかとが1~1.5cm出ているくらいです。
鼻緒のつけ根で痛くなるのを防ぐには?
靴ずれと同じようなもので、鼻緒の側面と足の甲がこすれて傷になってしまうことを鼻緒ずれと呼びます。
鼻緒ずれの原因は摩擦です。
新品のお草履は鼻緒がかたく、摩擦が起きやすいため、鼻緒を外側に引っ張る・お草履全体を軽く曲げるなど、
履く前に手でほぐしておくとやわらかくなり、摩擦が減って足へのダメージを防ぐことができます。
着物を着る前日にチェックしておきましょう。
振袖のときのヘアメイクのマナー
成人式のときの振袖に合わせるメイクや髪型は、基本的にはお好みで問題ありません。
しかし、TPOに合わせることが大切です。
振袖が華やかなため、普段通りのメイクだと地味な印象に見えてしまうこともあります。
成人式はお祝いの場ですから、濃くも薄くもなく、ちょうどいい華やかなメイクを心がけましょう。
香水をつける場合は、つけすぎないように気を配ります。
香水は、つけている本人が思っている以上に強く香っているものです。
成人式会場や同窓会では大勢の人が集まりますので、中には香水の香りが苦手な人やアレルギーがある人がいる可能性があります。
また、お祝いのお料理をいただく際にも、料理の風味を邪魔してしまいます。
格式高い日本料理などは、五感全てを使って繊細な香りと味を楽しむ食事です。
強い香り・濃厚な香りは避けるようにしましょう。
本来であれば、お食事の場面では、香水をつけないことがベストです。
まとめ
この記事で紹介した振袖でのマナーは、絶対のルールではありません。
ルールは正解が決まっている規則・決まりのことで、守るべきもののことです。
これに対しマナーは、ルールを元に、様々なシチュエーションに合わせて応用して取り入れていくものとされています。
マナーは「相手への気づかい・思いやり」です。
ルールや正式な形にとらわれることよりも、目の前にいる相手を不快な気持ちにさせないことが一番です。
シチュエーションや地域ごとに異なる慣習によっても、そのときにとるべき行動は変わることがあります。
臨機応変な振る舞いができて初めて、礼儀をわきまえた大人といえるでしょう。
そのためには、心の余裕を持つことが大切です。
気持ちの余裕が品格を生み、その品格が、立ち振る舞いにも現れます。
成人式は、新しい門出の日。
品格を身につけた素敵な女性を目指して、大人への第一歩を踏み出しましょう。
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一生に一度の成人式。
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振袖の美しさは、時代を感じさせないクラッシックなお写真で。
成人の記念には、フォトジェニックで特別な記念写真を残しましょう。
監修:いぬづか写真室 代表取締役 犬塚雅晴
